「武蔵小山」の魅力に迫る
地元の人が語る「街」の魅力。
昔から住み、誰よりも地元の良いところ、悪いところをご存じの方に、街の紹介をいただきます。
第2回目は、武蔵小山商店街振興組合の尾村優太さんより寄稿いただいた記事です。
東京都品川区「武蔵小山」、目黒区との境に広がる住宅地。住民は親しみを込めて「ムサコ」と呼ぶ。
実は、「武蔵小山」という住所はなく、品川区小山(こやま)、小山台(こやまだい)、荏原(えばら)、平塚(ひらつか)や目黒区目黒本町(めぐろほんちょう)あたりをこう呼んでいる。
かつては竹林に覆われ、タケノコの産地として有名であった。現在その面影は見られないが、武蔵小山駅前ロータリーにある通風孔は、実はたけのこの形をしている。
最寄駅は、東急目黒線の武蔵小山駅。
新宿、渋谷、横浜は約30分圏内と、通勤にも便利だ。
【交通アクセス】
目黒駅まで 3分 渋谷駅まで 8分
品川駅まで 11分 六本木駅まで 12分
東京駅まで 23分 銀座駅まで 23分
※掲載の所要時間は日中平常時
※乗り継ぎ・待ち合わせ、途中停車時間は含まれません
※時間帯により所要時間は異なります
※2014年9月調べ
【賃料相場】
ワンルーム 7.63万円
2DK 12.92万円
3LDK 14.02万円
現在の武蔵小山は、住商混在といったところ。
古くからの一軒家と単身世帯や家族向けの新しい住宅やアパート、その間に、印刷機やプレス機をかかえた中小企業や事務所などが建ち並ぶ。
この武蔵小山エリア、今はなんといっても、商店街が有名だ。
武蔵小山駅周辺だけでも大小8つの商店街がある。
特に武蔵小山駅前からL字に伸びる「武蔵小山パルム」は、都内でも最大規模を誇るアーケード商店街。全長800m、約250の店舗が軒を連ね、日常の買い物で困ることはないだろう。
紳士服「AOKI」や「スーツセレクト」といった、働く世代には必須の店舗や、主婦には必須のスーパーも、武蔵小山駅ビルと、武蔵小山アーケード内それぞれに「東急ストア」、また周辺にも「ライフ」「サミット」など選択の幅が広い。
携帯電話も、ドコモ、au、softbankショップが武蔵小山パルムアーケード内にあり、生活に、仕事に欠かすことのできない携帯電話の購入や修理も困ることはないだろう。
そのほか、武蔵小山駅から徒歩約10分と、少し離れたエリアにはなるが、
いわゆる生鮮3種(肉・魚・野菜)を販売する店が複数あり、昭和の面影を残す「平和通り商店街」なども特徴的だ。店頭で調理されるメンチカツや手作りはんぺんを夜のおかずや、おつまみにするのも良いだろう。
そんな街の風景からすると、シニア層が多いのではないかと思いがちだが、武蔵小山に関してはそうではない。
都立として初めて甲子園出場を果たした小山台高校や、星薬科大学など、文京施設も多く、若い世代の姿も1日を通して多くみられる。
また、ファミリーや子供連れで買い物を楽しんだり、公園で遊んだりする姿も多く見られる。
裏通りには、穴場的なカフェやバーが多くあり、パートナーやママ友とのお茶やお酒、仕事帰りの一杯などオフを楽しめる環境も整っている。
平成25年4月、武蔵小山パルム商店街からほど近い場所に、荏原平塚総合区民会館、通称「スクエア荏原」がオープン。360人収容の「ひらつかホール」をはじめ、様々な地域活動で利用できるアリーナや会議室があり、武蔵小山は品川区の文化活動の中心地になりつつある。
駅前ロータリーには、品川区の出張所を要した「品川区創業支援センター」が建ち、住民票など各種申請をサポート。またそのすぐそばには、内科外科等各医院が集合する「武蔵小山駅前ビル」が建っている。
金融機関も、三菱東京UFJ銀行小山支店が駅目の前、みずほ銀行ならATMが目の前、支店も徒歩8分ほど。そのほか、信金、信組も多数立地している。
引っ越してきたその日から、遠くへ足を運ぶことなく、家の周りで、すべての用事が揃い、すぐに滞りなく新生活が始められることは間違いないだろう。
都会でも下町でもない、「ちょうどいい雰囲気」の武蔵小山での生活を楽しめるはずだ。
特徴的なのは、品川区による初等・中等教育。
従来の学区制はあるものの、その枠を超えて、希望する教育方針を取る小学校へ入学を希望することができるほか、独自の教育カリキュラムをもとにした、小中一貫教育を全小学校で実施。
そのうち、6校は、施設を一体化し、小中一貫校として運営されている。
武蔵小山エリアにも、「荏原平塚学園」があり、教育の選択肢の、幅が広い。
また目黒区による「めぐろ子ども 子育てネット」も特徴的な取り組みのひとつ。「みんなで育てるまち」をキャッチコピーに、区民が実際に編集、情報スタッフとなり、目黒区こども家庭課が運営。現在子育てを行っている区民よる生の情報をポータルサイトとしてタイムリーに積極的に発信している。
武蔵小山は、「都会でも下町でもないほどよさ」を感じられるエリア。
「リンガーハット」や「富士そば」、「日高屋」「大戸屋」といった、チェーンの食事処も増えてはいるが、その中でもがんばる個性的な店舗も多数存在。
例えば武蔵小山パルムアーケード内の、うなぎ店「浜田屋」は大正15年創業。うなぎだけではく、お昼のリーズナブルな和定食も人気だ。
また東京ラーメンショーで、3年連続1位を誇った、「富山ブラックラーメン」専門店、「麺家いろは」といったユニークな飲食店も武蔵小山に出店。
代々木や吉祥寺にも店舗があるスパゲッティ専門店「トスカーナ」は武蔵小山が1号店。1992年の出店より素材にこだわったパスタで愛され続けている。
近年、手作りパンやケーキ店も多くなった。
14種の小麦を使い分け、使用する水も厳選、質の高いパンを夜23時まで販売する「nemo Bakery &cafe」(ネモベーカリーアンドカフェ)や、
3人のデザイナーが開店させ、シックな店構えと季節ごとに旬の素材を使用したケーキが人気の「patisserie de bon coeur」(パティスリードゥボンクーフ)、
武蔵小山パルムアーケード内、学生服店「タケヤ」の店頭に出店する「タケヤジェラートイン」はすべて手作りのデジェラートを常に10種類以上販売。スイーツやジェラート系の店も充実している。
休日には家を出て少しぶらぶら・・・数ある商店街を巡って、お気に入りのお店を見つけるのもよいが、街の雰囲気からちょっと離れて息抜きしたい派には、「都立林試の森公園」(武蔵小山駅より徒歩10分、品川区と目黒区にまたがる)がおすすめ。もともと明治33年に、国の、農林関係の試験場として開園、その後平成6年に都立公園として整備された。
樹齢が100年をこえる巨木や、季節により美しい花を咲かせる木々など、園内を散歩しながら、マイナスイオンを浴びて、日頃の疲れをいやしてみては。
年間を通じ多数のイベントも行われており、ミニSLなどは子供にも人気。
都心エリアといっても、ほどよく都心。高いビルに囲まれるでもなく、雑踏に囲まれての生活でもなく、仕事、散歩、お買物、子育て、どれも楽しんで行えるのが武蔵小山。ほどよく都心で、でもどっぷり下町ではない武蔵小山は近隣の街とはまたちょっと違った空気や時間が流れている。でもそこにはすんなり溶け込み生活をスタートできるはず。武蔵小山では、日々の暮らしに必要なものは、すぐ手の届く範囲。
快適さと便利さと楽しさ、そしてちょっぴり懐かしさをもった武蔵小山。ぜひおすすめです。