投稿日:

おとり物件って何?不動産業界の闇

『ポータルサイトで物件を見つけ、いざ部屋を見にいったら、ついさっき他の人に決まったと言われ違う物件を紹介されました。これで三件目です。』

こうしたお客様の声を聞くたびに、いまだに後を絶たないおとり物件の存在に悲しくなります。最近では、よく知られるようになった“おとり物件(広告) ”について改めてみていきましょう。

 

あわせて読みたい過去記事
→【HPにはおとり広告だらけ!?おとり広告96.7%がインターネット

 

おとり物件とは

 

簡単にいうと、“実際には貸すことが出来ないのに、問い合わせを得るための囮として広告をだしている物件”と言えるでしょう。

 

下記は不動産の広告不動産公正取引協議会連合会という、不動産広告を常時監視・調査をし、違反した不動産事業者へ警告及び違約金を課徴する団体が定めている規約の一つです。

 

不動産の表示に関する公正競争規約(おとり広告)

21条 事業者は、次に掲げる広告表示をしてはならない。

() 物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示

() 物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示

() 物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示

規約内におとり広告という文言がそのまま使われているほど、不動産業界では大きな問題になっています。東京を管轄とする公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会でも毎月のように違反業者を公表し、注意喚起や違約金を課す等の活動を行っています。それでも毎月のように摘発されているのが現状です。

(公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会)

 

おとり広告の98%以上がインターネット媒体?!

公表されているデータをもとにすると、2021年度に違反し違約金・警告・注意等なんらかの処分を受けた業者は247件。業者名は匿名となっておりますがどういった内容の違反か詳細が見ることができます。中には8年以上おとり物件を何度も掲載し続けたという事例も。公表されている違反内容の中で、インターネット以外でおとり広告を出していたとわかるものはたったの3件、この数字だけみるとおとり広告の約98%以上がインターネット媒体ということになります。

 

おとり物件を見分ける方法はある?

私たち不動産業者は広告を見た時点でどこか怪しいなこの物件と気づくことが多いです。ここではおとり広告を出している不動産業者が知られたくないよく見るポイントをご紹介します。

 

1. 物件条件が好条件すぎる

部屋探しをしている中で、好条件の物件を見つけたときの喜びは格別ですよね。しかし、大家さんも不動産会社も不動産のプロです。適正価格を知っています。

 

好条件に見える物件は

①広告では知りえないマイナス面があるか
②おとり物件かの二択です。

更に、好条件すぎるものはおとり物件である可能性が極めて高いです。

 

商品でも不動産でも値付けには正当な理由がある

 

 

2.物件名や物件住所が中途半端に記載されている

ポータブルサイトを見ていると、「アパートA」や番地が明記されずに「〇〇区△△」とだけ書かれている物件を目にするかと思います。大家さんの意向やまだ現入居者が退去する前等で勝手に物件を見に来られるといった理由でそうした明記をすることもあります。しかしおとり物件の殆どがこうした曖昧な表記をしているのも事実なので、他のポイントと併せて鑑みるポイントになります。

 

実在しない物件や実際に空室がない物件だと特定されないようにしているかも

 

 

 

3.好条件の物件が長期間広告されている

好条件の物件はすぐに入居者が決まります。実際に私たちがお客様の部屋探しを手伝っていてこの物件いいなと思ったものはすぐ決まっています。そうした好条件の物件が数週間掲載されていたらおとり物件の可能性大です。こうした業者は長期間掲載しているのがわからないように、新しい物件として頻繁に物件の広告を出し直したりしていることもあります。更新日時だけ確認するのではなく、同じような物件を以前に見ていないか注意深く確認しましょう。

 

この物件外観写真載ってないけど、先週見た物件にそっくりだな…

 

 

 

4.【番外編】物件を見に行く際に現地での待ち合わせを必要以上に拒まれる

これは広告をみただけでは分からないことですが、気に入った物件を見つけ内見の予約をする際に、物件で直接待ち合わせしたいと伝えてみましょう。おとり広告の場合、実際に物件を見せることが出来ない為、なんとかして不動産会社や他の待ち合わせ場所にくるように促します。実際にお客様がくれば他の物件を提案できるからです。仮に、問い合わせ時に空室だったとしても内見をする日までに実際に他の人に決まってしまったとして、それを直接会うまで告げないのは信頼できる不動産会社といえるでしょうか。

 

直前まで連絡を取っていたのに、不動産屋に着いた瞬間他の人に決まる…

 

 

 

おとり物件チェッカーを活用しよう!

ここまで読んでいただいて、『これはおとり広告かな?これも?』と疑心暗鬼で物件探しが中々進まないなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。時間のない転勤者の引っ越しを多く扱い、おとり物件で時間を割かれてしまうのを少しでもなくしたいという思いから東京暮らしではおとり物件チェッカーを用意しております。

 

ポータブルサイトで見つけたURLを送るだけで、実際に募集中の物件かどうかがわかります。LineURLを送っておとり物件チェックも可能です。転勤者の方だけでなく、誰でも利用可能です。

まとめ

ポータブルサイトを見ていると、『あれさっきもこの物件見たような気がする』と似たような物件を何件も見ていることに気づいた方も少なくないのではないでしょうか。実際にお客様から5物件分のURLを送って頂き、そのうち3つのURLが同じ物件のことだったなんてことは珍しくありません。

 

実は同じ物件が違う不動産会社から掲載されており、賃貸広告物件が重複していることも多いのです。人気のある場所では同じ物件が67不動産会社によって別々に掲載されていることもあります。

 

 

世間でIT化が進んでいる中、不動産業界はまだ手作業に頼っているアナログな世界が残っているのです。物件の成約後に自動的に広告が掲載停止する機能はなく、空室状況をリアルタイムで知るには「元付け」と呼ばれるその物件を管理している不動産会社に電話をするしかありません。

 

さらには元付けと呼ばれる不動産会社が複数あり、大家さんしか空室状況を知らないなんて場合もあります。そのため物件を掲載している不動産会社自身、その物件が本当にあるのかどうか把握できない実情も潜んでいます。

 

みなさんがどの不動産会社が元付なのか知る術がない以上、信頼できる不動産会社に逐一確認してもらうのが一番確実ということになります。東京暮らしはおとり物件チェッカーを運営する上でも、正確な情報を提供することを心掛けております。安心してお問い合わせください。

 

お問い合わせはこちら