東京に転勤するとカレーの肉が変わる?

カレーの肉-01.jpg前回の、ばんそうこうの呼称で全国を分けましたが、

各地で違いの出るものは言葉だけではありません。

“食”も住む場所で大きく違いあります。

食生活は生きていく上で最も重要だとも言えます。

大人から子どもまで大人気、もはや日本人の国民食といっても過言ではないカレーですが、ご家庭で作るカレーの肉は、何肉が使われていたでしょうか?

実は、「西の牛肉、東の豚肉」とよく言われるように、
地域によって使われている肉に違いがあるようなのです。


そこで今回は誰もが好きな”カレーに入れる肉”の種類で比べてみました。


日本カレーに入れる肉分布図.jpg

○全国的に豚肉が優勢!東日本は豚肉、西日本は牛肉

全国的に豚肉が優勢。

しかし、西日本では豚肉は少数派となっております。

西日本では牛肉が優勢となり、
西日本の日本海側は鶏肉が優勢。

豚肉一色の東日本と違い、
西日本では牛肉が優勢とはいえ、鶏肉や豚肉を使用する地域もあり、
バラつきがみられます。


総務省の家計調査をもとに地域別に、牛肉・豚肉購入量を見てました。

牛肉購入量を数量で見ると、トップ10が

堺市・広島市・奈良市・京都市・大阪市

和歌山市・大津市・神戸市・大分市・佐賀市。

一方の豚肉はどうかというと、


新潟市・札幌市・青森市・秋田市・盛岡市

浜松市・静岡市・川崎市・さいたま市・横浜市

がトップ10。

と、見事に東日本・西日本に分かれました。


富山県・岐阜県・愛知県からは牛肉が優勢で、東海地方をはさむあたりが境界線と言えそうです。

○東西で使用するお肉が分かれたのはナゼ?

西日本・東日本で牛肉・豚肉に分かれたのは一体なぜなのでしょうか? 

そもそも食べる肉として定着しだしたのは牛肉の方が先。

明治維新を契機に、牛鍋などの牛肉食がはじまりました。

東京では洋食文化が普及し、牛肉の代わりに豚肉が使われるようになり、大正時代には現代のわたしたちも大好きなトンカツが誕生。
東京を中心にはじまった豚肉文化は、やがて牛肉をしのぐ勢いを見せ、関東近郊の農家では養豚が盛んになっていきました。

しかし、関西では引き続き牛肉優勢でした。

日本最古の牛肉屋は、1885年、大阪阿波座の徳松が大阪に開店したと言われています。
また、1900年、日本初のステーキ店「弘得社」が出店したのも大阪。
関西と言えば、近江牛、松坂牛、神戸ビーフなど、高品質な牛肉の産地として知られています。

牛肉の名産地がある関西は、価格の面でも品ぞろえの面でも、相対的に関東より牛肉を入手しやすく、
豚肉が席巻することなく、引き続きで牛肉文化が形成されたのかもしれません。

○まとめ

西日本から東京に転勤しいてくる方は、
東京風なカレーを作れば材料費が今までより抑えられるかもしえません。

東京に転勤してきたら試しに豚肉カレーを作ってみてはいかがでしょうか?


美味しいカレー屋さんの近くに住みたい方はこちら

参考
カレーのお肉は「西牛東豚」
カレーの肉の境界線はどこ? お肉分布図は”西牛東豚”?