法人・社宅契約NGの物件があるってホント?!
目次
『法人契約だからダメって断られました。そんなことあるのでしょうか?』
よくお問い合わせ頂くうちの一つです。意外と知られておりませんが、実際にはよくあるのが現実です。
転勤があるような大手企業に勤めていると『法人契約の方が、信頼性も大きくて安心のはずなのに何故』と不思議になるのも当然です。そこで今回は転勤者のお引越しを数多くお手伝いしてきた東京暮らしだからこそ語れる大家さんが法人契約を嫌がる理由と法人契約でも失敗しない部屋探しのコツついてお話します。
大家さんが法人契約を嫌がる理由
1.手続きが糞雑になり、手間が増える
大手企業だからこそ、いざ契約を結ぶとなると少額の社宅契約でも細かな社内チェックが入るのが一般的です。規模の大きな会社になるほど、関連部署が増え、それだけ時間がかかります。
例えば契約書の作成の際、管理会社から契約書下書きを担当部署に送り、法務その他関連部署で確認し、必要な場合は修正依頼をすることも。そして修正した下書きをもう一度担当部署に送り、法務その他関連部署が確認をし、再度修正か承認かが逆リレーになって返ってきます。各部署の担当者が常に時間があるわけではない上に休日を挟んだり、このリレーに思っている以上に時間を割きます。一般的な会社は土日休みですが、多くの不動産会社は平日休みであることも一因となります。
法人契約では個人契約ではないこうした手間が毎回つきまといます。入居後の管理会社による設備の定期的な点検や水漏れ等トラブルが起きた際や退去の際、契約更新の際 etc。個人契約では大家さんや管理会社と入居者だけで日程を決めたり解決できるものが、法人契約となるとそう簡単ではなくなるのです。
古い管理会社だと、大家さんに聞く前に自分たちが面倒だから断るなんて所も、、、
2.連帯保証人なしが心配
大手企業の社宅契約だと、連帯保証人無での契約を求められることが一般的です。実際、それで過去に問題があった訳ではなくても、連帯保証人無という点で“不安”を感じる大家さんもいらっしゃいます。大手企業が急に倒産するとは考えづらいですが、先の将来のことは誰にもわかりません。必要のないリスクはとりたくないという考えの大家さんもいらっしゃいます。例えば、企業が倒産し、賃貸借契約書は無効になったのにも関わらず、社宅に住んでいる社員が立ち退かないとなった場合、大家さんには損害が出ます。
3.過去に法人契約で嫌な思い出がある
意外と多いのがこの理由です。大家業を長年やっている方は沢山の入居者と出会い、それに伴い嫌な経験を積むことも出てきてしまいます。過去に数多く問題のない法人契約があっても、一件苦い経験をした法人契約があるとその記憶が鮮明に残ってしまうのが悲しい現実です。それらは上記2つが関連していることも多いです。例えば、退去時の原状回復の費用の清算時に法人のチェックに時間がかかり、原状回復工事が中々進まず、空室期間が大幅に延びて損害が出たなど。不動産は水物ですので、いい時期を逃したことで入居者を入れられず、空室期間が必要以上に延びてしまうと時期に合わせて賃料を下げなくてはいけなくなったりもします。
4. 過去に法人契約をしたことがない
たまにあるのがこの理由です。法人契約となると契約書のフォーマットが変わったり、条文も変わったりします。今までやったことがないから、”不安”又は”面倒”と思ってしまうのです。その中には、『大手企業と契約すると何かあった時に向こうの方が経験や財力があるから泣き寝入りすることになるのでは』といった声も。裁判沙汰になった際に、お抱えの弁護士がいる企業と大家さんでは立場が違いすぎると思うのかもしれません。
失敗しないための部屋探しの仕方
『ポータブルサイトで気に入った部屋を見つけ、実際に物件を見に行き、申込をしたら断わられてしまいました。もう引っ越しまで時間がありません』こうしたお問い合わせは実際によく頂きます。転勤前はただでさえ辞令から転勤までの時間が短い中、元々の勤務地での仕事の引継ぎや、転勤先へ出向いての挨拶回り等、多忙なスケジュールに追われます。その中で時間をなんとか縫って物件を探したのにダメだったとなると、通常のお引越しよりもダメージが大きいと思います。
前述のようなことが起きる理由は大まかに分けると以下の3つです。
1. 法人契約だと内見前に不動産屋さんに伝えていなかった
2. 不動産屋さんには伝えていたが、不動産屋さんが大家さんに確認していなかった
3. 大家さんに確認していたが、契約に進むにつれ大家さんの気が変わった
こうした状況にならない失敗しない為のコツをご紹介します。
1.法人契約か個人契約かを事前に確認し伝える
転勤で引っ越し先を契約する際、①入居者個人名で契約をし、家賃補助が会社から毎月入居者に振り込まれる場合と、②勤めている会社の法人名義で契約し家賃が直接大家さんに振り込まれる場合のどちらかが殆どです。これは会社によって規約が違いますので、転勤にあたり部屋探しをする際は、最初に確認しておくことおススメします。②の場合ではダメだった物件も、①の場合であれば社宅といっても入居者と大家さんの個人間の契約になるので契約できることもあります。実際に東京暮らしに問い合わせを頂いた方でも、細かい社宅規定を知らないことが多いです。
東京暮らしでは、直接担当総務とやりとりして確認することも!
2.社宅・法人契約に強い不動産屋を選ぶ
不動産屋さんが大家さんに確認していなかったなんてことはあってはならないことですが、実際に起きています。担当者は自分のミスをそのまま伝えることは勿論しないので適当な理由を伝えることが多いですが…。しかし、普段から事務所や社宅等法人契約をしていない、居住用のお引越しをメインに扱っている不動産会社だと、担当者によってははっきりとした区別がつかないのも仕様がありません。その為、内見前に確認する必要もないだろうと思ってしまうのです。実際、法人契約と個人契約では必要書類や確認事項、契約までの手順も違いますので、慣れていない不動産会社を使うと後から追加で必要書類を求められたり、社宅規定を無視した契約内容が盛り込まれたり、契約がなかなかまとまらず予定していた入居日に入居できない等の問題も起こります。ただでさえ忙しい転勤前に、手を煩わせないためにも不動産会社選びは賢く行いましょう。
3.社宅規定を確認する
大家さんの心変わりの理由は様々です。前述した大家さんが法人契約を嫌がる理由も一因となります。しかし、最初はOKだったものがNGになる理由の一つに、事前に聞いていなかった事柄が原因となることが多いです。申し込み後に後出しで、あれもこれもというと大家さんも人間ですのでいい気がしないのが本音です。例えば、社宅規定で連帯保証人無、敷金の償却NG。その他、家賃だけでなく敷金と礼金の上限金額も会社によって違います。家賃上限15.5万円と言っても、管理共益費込みの場合と別の場合。細かく家賃は15万円迄、管理費5千円までと決まっている場合もあります。この規定だと、家賃151,000円管理費4,000円の物件はNGになってしまいます。しかし、事前にわかっていれば大家さんに家賃150,000円管理費5,000円にしてもらいたい旨を先に相談ができ、スムーズに事が進んだというケースもあります。
まとめ
今回は転勤者向けの法人契約に焦点を当てました。規模の小さい会社や新しい会社の法人契約については内容が大きく変わりますので、又違う記事でお伝えできればと思います。
物件探しをする際に、一人一人物件に求める条件が違うのと同様に、物件を所有されている大家さん一人一人違った考えや入居者を決める条件があります。それを分かった上で部屋探しが出来るだけでも、無駄に物件を見に行く手間が大幅に省けるはずです。一般的には転勤のある大手企業であれば、社会的信用もあり家賃が遅れるような心配がないため、先に話したような理由がなければ審査で心配することもありません。
東京暮らしでは担当の部署と連携し、詳細な社宅規定を確認した上で、物件探しを行います。もちろんご自身で見つけた物件もお送り頂ければ、法人契約可能か社宅規約にあてはまるか等、事前に確認しております。忙しい転勤準備の中、できる限り時間を節約しましょう!
お問い合わせはこちら