日本各地を転勤されている方は、
その土地土地での方言や呼称に驚くことも少なくないのではないでしょうか。
有名なところでいうと、
「マクドナルド」の略称が
関東では"マック"、関西では"マクド"。
ゴミを捨てることを
関東では"捨てる"、関西では"掘る"。
局地的な話でいうと、
中部・近畿ではコーヒーに入れるミルクを「フレッシュ」。
鹿児島では黒板消しを「ラーフル」。
地元の人は当たり前に使っているため、
その言葉を標準語だと思っていることも多いようです。
東京に転勤してきて、普段の会話で使った言葉が通じてない!?なんてこともあるかもしれません。
地方によって呼称の違うものの中から、
今回は全国"絆創膏"の呼称分布図で比べてみました。
ばんそうこうは、各地で「バンドエイド」「カットバン」「サビオ」など商標名で呼ばれていることが多く、
どう呼ぶかで出身地が推測できる。
東京女子大の篠崎晃一教授(社会言語学)は、
呼び方の地域的なバリエーションを「方言」ととらえ、約10年前に全国調査した。
どの地域でも一般名称である「ばんそうこう」のほかに、複数の呼び方が存在している。
篠崎教授の調査を参考に、その都道府県で一番ポピュラーと思われる呼び名の分布をまとめたのが上記の図だ。
広く浸透しているのは、現在43%の市場シェアを誇るジョンソン・エンド・ジョンソンの「バンドエイド」だ。
篠崎教授の調査時点で、全国でテレビCMをしていたのは「バンドエイド」だけだった。
日本上陸は59(昭和34)年。メディアの影響力も後押しして、最も有名なブランドになったといえる。
「リバテープ」は60(同35)年に星子旭光堂(現リバテープ製薬)が発売。
創業のルーツが西南戦争という、熊本県のしにせメーカーだ。
「熊本での認知度はほぼ100%。九州の人なら一度は聞いたことがあるはず」。
九州では、ほかに「カットバン」の知名度も高い。
命名の由来は「ばんそうこうをカットしたもの」だから。
佐賀県に本社のある祐徳薬品工業の商品だ。
北海道での呼び名「サビオ」は、もともとスウェーデンの有名メーカーの商品。
日本では63(同38)年からニチバン、75(同50)年以降はライオンがライセンス契約を結び、販売していた。
「20年ほど前は、北海道でシェア1位だった」(ライオン広報部)が、02(平成14)年に製造が中止されている。
商品は消えたのに、商標名が一般名詞として使われ続ける珍しい例だ。
篠崎教授は「現代になって新しくできたものの場合、ホチキス、サランラップ、宅急便などのように、
特定のブランド名が一般名称のように定着する例はある。ばんそうこうは、複数の商標名が定着しているうえ、
地域的な特徴も大きい」。かなりユニークな存在といえそうだ。
絆創膏にこんなにも多くの呼称があるとは驚きでした。
「リバテープもってる?」、「サビオ頂戴」と言われても、
絶対、絆創膏を差し出してあげることはできなかったなと思います。
東京に転勤してきて絆創膏が必要な方はえ、
「バンドエイド下さい。」と言うようにしてくださいね。
参考文献
呼び名で分かる:地域編 出身地を推測できる「ばんそうこう なんて呼ぶ?」
NEAVER関東人と関西人のちがい