年明けから転勤・就職・就学等で東京にでてこられる方のお部屋探しのお手伝いが急激に増加しました。
遠方に住んでいらっしゃる方が東京に転勤が決まり物件選びを行う際、インターネットが大変役に立っているようです。
『東京暮らし』でもインターネットで見つけた気になる物件のURLからお問い合わせ頂けるようになっておりますが、
皆さんが頼りにしているインターネット広告には思わぬ落とし穴が、、、。。
落とし穴とは、、、、、 『 おとり広告 』 です。
今回は 『 おとり広告 』 について書きたいと思います。
『おとり広告』という言葉自体は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
おとり広告とは、客寄せのための架空広告のことです。
最も悪質な不当表示として、広告規約で禁止されています。
具体的には次のものが該当します。
●実際には存在しない架空物件の広告または存在しても広告内容と実物が異なるもの
●広告掲載の数ヶ月前に売却済みの物件や、オーナーから売却依頼のない物件の広告
●物件はあっても、広告主が売却意思のない物件の広告
このような物件は価格を著しく安く表示する傾向があります。
実際におとり広告の多さを示すものとして、
公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会によって、「不動産の表示に関する公正競争規約」に違反し、
厳重警告以上の措置を講じた広告の96.7%(26年11月末まで)がインターネット広告であることが発表されました。
厳重警告をうけた殆どの広告がインターネット媒体ということになります。
インターネットにおとり広告が多いとは聞いていたものの、この数字は驚きです。
一口に『おとり広告』と言っても一体どういったものかわからない方もいらっしゃるかと存じます。
そこで実際に26年度に報告されている主な違反理由を事例からみてみましょう。
このケースは経験がある方も多いのではないでしょうか?
インターネットで見つけた物件の問い合わせをすると、
「そちらの物件は先ほど他の方に決まってしまいました」
「似たような物件でこちらがありますがいかがですか?」
実際に本当に今さっき決まってしまった物件のこともありますが、
契約済みの物件を掲載することは、それが故意・過失に関わらず規約に禁止する「おとり広告」に該当します。
このケースでは、該当物件について、契約しない合理的な理由もないことから『おとり広告』と認定されました。
インターネットで物件を見ていたときは、同じ家賃でもっといいお部屋があったのに、
いざ不動産屋に行くと同じ価格帯でそんな物件はなかったなんて経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それは決してその不動産業者が悪いのではなく、インターネットでみていた物件情報がおとり広告の可能性があります。(実際に実在する物件でも、不動産業者により利益多い物件しか紹介しない業者がいるのも事実ですが、、、。)
上記二点の他にも、実際に現実に実在しない物件を広告に出したり、実際の賃料よりも低く出したりといったこともあるようです。
賃料や敷金礼金以外にも、当初の契約時からその期間満了までに必要とされるのであれば、
必要な表示費目と額を必ず記載するよう規定しています。(規約施行規則4条1項)
また、記載していないと、不当表示にもなります。
不動産では契約時から契約完了までにかかる費用は併せて広告しなければいけないと決まっています。
広告には賃料と敷金礼金しかのっていなかったのに、
いざ契約する際にそれ以外のものが初期費用として沢山とられたなんて経験がある方もいらっしゃるんではないでしょうか。
以上3件は実際に26年度におとり広告として摘発された事例です。
お客様を獲得するためにあの手この手とあらゆる手段を使っているようですね~。
涙ぐましい努力ですね。。
suumo、 at home、HOME'Sなどなど
今や不動産を探すサイトは数多く存在し、物件を探しやすくなりました。
ほとんどの人がインターネットで物件を探す今の時代、不動産業者は他社よりも問い合わせを貰えるように
インターネットにおとり広告を出すようになっているのが現状です。
真面目にやっている不動産業者よりもおとり広告を出す違法業者の方が問い合わせ数が多くなるのが現実。
正直者は馬鹿を見る世の中なんて嫌ですよね。。。
そんな悪徳業者にはひっかかりたくない!!
ではどうしたらいいのか。
インターネットでの物件探しが間違っているわけではありません。
真面目にやっている不動産業者さんもいるのです。
おとり広告かそうでないかの見分けをつけるにはどうしたらいいか。
いい物件を見つけてもすぐに飛びついてはおとり広告を打つ違法業者に飛びつくのではなく、
インターネットで見つけた物件の広告が実在しているものなのかどうか等、信用のおける不動産業者に調べてもらうのが一番だと思います。
また、不動産業者に自分の要望を伝える時のツールにするのもいい方法です。
そのお部屋がまだ空室なのか、実在するのかどうかは別にして、
"希望しているお部屋はこういった物件です"と伝えやすくなると思います。
しかしながら、提示して頂いた物件全てがおとり広告なんてことも多いのですが、、、。
おとり広告ですので、実際の希望家賃だと希望条件を満たせないことの方が多いです。
その際は信頼のおける不動産業者さんと相談しながら、真の「物件探し」を行って下さいね。
東京暮らしをご覧の東京に転勤される方はくれぐれも『おとり広告』に引っ掛からないよう気を付けて下さい。
東京暮らしでは物件のURLを添付して問い合わせすることも可能ですので、
東京に転勤が決まり、住む家を探していて気になった物件等ございましたらお気軽にお問合せ下さい。
参考文献
月刊不動産 マンスリーリアルエステート
発行元:公益社団法人 全日本不動産協会
HOMES:http://www.homes.co.jp/words/a5/525000023/